バレンタインデーには、多くの飲み屋さんでお客さんへのチョコレートを用意することと思う。私のお店も然り。問題は予算と数だ。今年のバレンタインデーは木曜日なので、「それほど多くは用意しなくていいかな？」と、「もし団体さんが入って足りなくなってはいけない」を行ったり来たりして悩む。
お店を始めた最初の数年は私もちょっと気合いを入れすぎちゃって、3000円で飲み放題のお店なのに、パレットく○じで高級なチョコを買ったりなんかして、いやはや、なんたる不相応。
しかし今はもうすっかり学んだので、特に気合いを入れるでもなく、ずいぶんラフなバレンタインだ。個包装された数種類のチョコレートを、100均で買ったラッピング袋に入れてワイヤータイで縛って出来上がり。数をちょっと多めに用意してもし余っても、いつもお客さんに出しているお菓子セットに加えればいい。我ながら無駄のない計画だこと。
実は、毎年バレンタインには私もチョコレートをいくつか貰う。今年最初の１つは、私のお店に出勤前にお客さんと飲みに寄ってくれたＫちゃん。可愛い手作りのチョコをくれたので、私もＫちゃんにお返しをした。物々交換みたいになっていた。
他に貰ったチョコは、お客さんがよそのお店で貰った物を、「自分は食べないから」とか「家に持って帰れない」とかの理由で私にくれた物。お客さんが貰ったチョコを私が頂いていいのかしら？ と思いつつ、やはり嬉しい。
ずっと前、私がホステスをしていた頃に、「今日はあちこちハシゴして、いっぱいチョコレート貰って子どもに自慢するんだ」と言っているお父さんがいた。１軒で数人のホステスからチョコを貰えるとして、数軒飲み歩けばけっこうな数になるだろう。「家に持って帰れない」と私にくれる人もいれば、「子どもに自慢する」と紙袋を持ってハシゴ酒をする人もいる。バレンタインの模様もさまざまだな。
