2つの顔

常連さんのK氏が、ある日1人の女性を伴ってやって来た。入って来た瞬間、何となく見たことのある女の人だな〜と思っていたら、その女性も私に「お久しぶりですね」と声を掛けてきた。もしかして、以前にもK氏と一緒に来たのかな? と考えてみたけど、そうではない。どこで会ったっけ?
その女性、年齢は30代後半くらいだろうか。表情や仕草、話し方の全てがすごく勝ち気で、1度会ったら忘れないであろうと思うくらい印象が強い。なのに思い出せない。なぜだ?するとK氏が「BAR◯◯のママだよ」と教えてくれた。えぇ! ◯◯のママさん⁈
BAR◯◯は、私のお店からそう離れていない飲み屋さんで、遅くまで営業しているので何度か行ったことがあった。最近店主が代わり、2代目を引き継いだのがその女性だったのだ。1度しか会っていないけど、そのBARでの印象とはまるで違う。そこでは勝ち気な感じは全くしなかったし、ずっとニコニコしていて、むしろ優しそうな覚えしかなかった。それが仕事外で、接客のサービス精神がなくなると、人はこうも変わるのかと衝撃だ。
でも、まぁ、気持ちは分からないでもない。どんなに常連さんでも、友達でも、中学・高校の頃の同級生でも、親しい仲でも、お店に来てくれたら、こちらはお代を頂く立場だから、崩せない対応なり姿勢なり接客がある。それが、自分のお店から1歩外に出れば、それからはもう自由の身だ。疲れていたら疲れた顔をしていいし、面白くない冗談に笑わなくてもいい。
そのBARのママさんの素の姿は勝ち気な女性で、自分のプライベートな時間はこういう感じなんだな〜と、仕事モードのオンとオフの両方の顔を見れて、なかなか興味深かった。そして、私自身のオンとオフの顔についてもちょっと考えた。変わるような変わらないような、自分では判断出来ないことだった。

BAR TO BAR 外装 BAR TO BAR 内装

BAR TO BAR

  • 住所/那覇市松山1-15-20 大文閣1F MAP
  • TEL/098-863-0757
  • 営業/19:00~翌1:00
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