12月４日で、私のお店は開店10周年を迎えた。１周年と３周年の時は、お客さんに案内状を出して周年祝いをしたけど、それ以降は周年イベントは何もせず、誰にも知らせず自分１人でひっそりと噛み締めるだけにしている。
12月４日が近づくにつれ、「後３ヶ月で10周年だな〜」とか「後１ヶ月で……」と考えたりしたけど、４日当日は徒歩での出勤途中に、「あ、今日でちょうど10年だ。10年前の今日は超パタパタしてたな〜」と、少し無理矢理に感慨にふけった。
10年で、私は32歳から42歳になり、２人の子どもは巣立ち、たくさんのお客さんとの出会いがあった。私がホステスをしていた頃のお客さんがお客さんを呼び、そのお客さんがまた新たなお客さんを連れて来てくれる。縁が縁を呼び10年続いたんだな。ありがたや。
お店の営業時間は夜の８時からだが、10時になっても11時になってもお客さんが１人も来ない日もある。だんだんと私のテンションも下がり、今日はボウズかしら？ （釣り用語？）なんて不安が心を過ぎった時にふと訪れるのが、半年ぶり、１年ぶり、数年ぶりのお客さん。お店も10周年迎える頃には、◯ヶ月ぶり、◯年ぶりのお客さんが毎週のように訪れる。「久しぶりに那覇に来たから」とか「沖縄に来たら必ず寄るよ」と言ってもらえるのは嬉しいことだ。しょっちゅう来てくれるお客さんも、たまーに来てくれるお客さんも、どちらもそれぞれ本当に大事なお客さん。
10周年となった当日は、閉店後に１人でしみじみビールを飲もうかなと思っていたけど、お客さんが途切れることなく入り、予定外に疲れてしまった。しみじみタイムは後日にお預けして、いつも通りにさっさと帰ってきた。本当に感慨に浸るのは、なんでもない、ふとした瞬間なのかも知れないな。
