現在、お店は夫と私とで2交代制で回している。私が早番で夫が遅番で、22時に交代。もっとも、カウンターにお客さんがいれば私も残ることになるが、いなければ私の仕事は22時で終わり。
しょっちゅうではないが、仕事が終わった後にカウンター席に座って、ビールを飲みながら休憩することもある。そしてカウンターの内側に立って「マスター」をしている夫と、業務連絡をしたり、おしゃべりをしたりして過ごすのだ。
カウンターで飲んでいる時は、私もお客さんのように振舞っている。常連さんがBARのマスターとおしゃべりしている図に見えるように。
その日も私は仕事終わりにカウンターに座ってお客さんのふりをしてビールを飲んでいたら、5.6人の女性のグループが奥のボックス席に入ってきた。お店の雰囲気やセルフバーのシステムを褒めてくれて、何を飲もうかと楽しそうにしている声が聞こえる。気に入ってもらえて嬉しいな〜。
ビールを2杯飲み終えた私は、女性グループがワイワイ楽しんでいるお店を夫に任せて、家に帰ることにした。よし! 今日も仕事頑張ったぞ!
私が帰った後、「ここのオーナーは女性ですか?」「もしかして、先程カウンターに座ってたあの人ですか?」と、その女性グループに聞かれたそうだ。夫が「そうですよ」と答えると、皆さん「やっぱり」と納得顔だったという。
店内やトイレに細かい気遣いがあり女性らしさを感じたことと、何より、カウンターに座っていた私からオーナーのオーラが出ていたそうな。オーナーのオーラ?
そうかそうか、私も来年は50歳になるので、いつのまにかオーラやら貫禄やらを身に着けていたんだな。ただ座ってビールを飲んでいただけなのに。