張り合う2人

私はお酒が弱いので、ビールより高いアルコールの飲み物は飲まないようにしている。仕事柄、もっと強かったら良かったな〜と思うこともあるけど、水商売でなかったらそんなことは思わなかっただろう。お酒に強いか弱いかで、女性の自尊心は傷ついたりしないのだ。一方で男性はどうだろう。「お酒強いですね」の言葉にとても嬉しがる傾向があるように思える。
先日、共に40代のT氏とN氏が遅い時間にやって来た。2人は同じ会社の先輩後輩だけど、歳も近く気が合うのか、よく2人で飲みに来てくれる。すでにけっこう酔っているようで、2人ともとても眠そうだ。私のお店で3軒目なのだそうだが、そんなに酔っていて眠そうなのに、なぜ家に帰らずに3軒目に突入するのか不思議なくらいフラフラだ。
いつもの泡盛を注文し、いつものボックス席で2人は語り合っている。たぶん仕事の話だろう。話に飽きたのか、今度はカラオケが始まった。T氏が歌っている時はN氏がうつらうつらし、N氏が歌っている時はT氏がうつらうつら。
私が水や氷の補充のために2人の席に行き、話しかける。「眠そうですけど、大丈夫ですか?」すると2人は口を揃えて「全然眠くない」という。酔っ払いは「酔ってない」と言うのが常だが、眠そうにしてても「眠くない」と言うのか。そして互いに「アイツは酔っている」と言う。面白い張り合いだ。
結局2人は、飲み放題の制限の2時間いっぱい居て、ずっと睡魔と酔いと闘っていた。お店から出て行く時も、「お前、明日仕事遅刻するなよ〜」「Tさんこそ、この前遅刻したじゃないですか!」「それはお前だろ〜」と言い合いながら帰って行った。
2人が目指すのは、お酒に「強く」、睡魔にも「負けず」、付き合いの「良い」男なのだろうか? T氏とN氏の張り合いは、なんだかとても微笑ましかった。

BAR TO BAR 外装 BAR TO BAR 内装

BAR TO BAR

  • 住所/那覇市松山1-15-20 大文閣1F MAP
  • TEL/098-863-0757
  • 営業/19:00~翌1:00
  • 店休日/日曜・祝日

MENU

  • カウンターBAR
  • セルフBAR