通訳アプリ

 うちはカラオケバーなので、カラオケを通してお客さん同士が仲良くなることがよくある。内地からの観光や出張のお客さんに、常連のウチナーンチュが話しかけて意気投合して、肩を組みながらカラオケを歌い、指笛で盛り上げる。お酒とカラオケのパワーは一気に他人を友達に変える。そういうノリは私にはないので、ある意味羨ましい。

 外国人のお客さんが来店した場合も同じだ。そこに言葉が通じにくいことがプラスされて、お互いのコミュニケーションをさらに楽しくしているように思う。ちょっとたげ英語を話せる日本人と、ちょっとだけ日本語を話せる外国人。カタコトながらに一生懸命に会話をしようとしているのが楽しいのだ。

 今はスマホという便利な物があるので、カタコトで伝わらないことはアプリに訳してもらって意思疎通。本当に便利だ。

 うちに来る外国人のほとんどが基地の軍人さんなんだけど、先日は珍しく観光で来沖したという韓国人の男性が1人で来店した。大人しそうな若者だった。たぶん20代半ばくらいだろう。

 彼はカラオケが好きなようだ。日本の有名ソングが韓国語になったバージョンを何曲も歌った。それに反応して、隣の席にいたお客さんが彼に話しかける。例の如く通訳アプリが大活躍だ。

 私はカウンターにいるので2人の会話は聞き取れないが楽しそうに話している。それぞれカラオケを歌いつつ、通訳アプリで笑いながら会話している。英語なら単語程度は少しは分かるけど、相手は韓国語なので「カムサハムニダ」以外はほぼ100パーセント通訳アプリ必須だろう。アプリさまさまだ。

 飲み放題の終了時間となったころ、韓国人の若者が私に「スミマセン」と声をかけてスマホを見せた。通訳アプリの画面だ。そこには、「社長、お会計をお願いします」とあった。

 「社長」ってなんだよ、と大爆笑したけど、彼は私がなぜ笑っているのか分からなかったみたい。それにしても「社長」って!

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