お酒での失敗は誰にだって1度や2度はあると思う。失敗を積み重ねて、私も含めてみんな年齢と共に学んで飲み方も上手くなっていくんだろう。
つい先日、大人の階段を登っている途中の若者たちが私のお店でやらかした。
滅多にないことだけど、お客さんの1人が店内で嘔吐したのだ。吐きそうになってなぜかトイレではなく外に向かったようで、間に合わず出入り口のドアや玄関マットに向けての惨劇だった。
男性4人で来店していたお客さんで、年齢は揃って20前半くらい。静かにセルフBARで飲んでいた。最初の1時間はおしゃべりをして、後半の1時間に何曲かカラオケを歌って、1000円札をかき集めての支払いが若者らしくて微笑ましかった。そして帰っていく後ろ姿をカウンターから見送ったのだが……。
カウンターから出入り口のドアは見えない。出入り口のそばにトイレがあるので、多少物音がしても、帰る前にトイレに入っているんだと気にしていなかった。しかし、いつまでたってもガサガサ聞こえたので見てみると、先ほど帰ったと思った4人組のうちの1人がせっせとトイレットペーパーでドアや床を拭いている姿が見えた。
「あれ? どうしました?」
「すみません。アイツが吐いてしまって」
そう言えば、ちょっと飲み過ぎた様子の男性が1人いたけど、吐くほど飲んじゃってたの⁈ しかも、こんなところに⁈
吐いた本人はお店の外に座り込んでダウンしているけど、一応仲間達がちゃんと掃除をした。ホースを渡して水できれいに流してもらった。
掃除をしてもらったとはいえ、そのまま営業出来る状態ではない。他にお客さんもいないことだし、その日はもう閉めることにした。お店にとっては手痛いことだ。
今回のことはお酒の席での1つ失敗だけど、ちゃんと掃除をしたし、ちゃんと「すみません」と謝って帰ったし、階段は反省しつつゆっくり登って行けば大丈夫。
へんな〜せずにまた飲みに来てくれよ、若者達。