私がお店に着くのは、開店のだいたい30分前くらいだ。これが遅いか早いかは置いておいて、お店に着いてから開店までのその30分はパタパタだ。
前日の閉店後に洗っておいたグラス類を棚にしまい、おしぼりや水を準備して、とりあえず最低限営業できる状態にしたら、カウンターを拭いて照明を調整してお店のドアを開ける。そして玄関マットを敷いて、メニューの案内板を表に出す。これでだいたい開店時間の7.8分前くらいになっている。ちょっと早いけど営業スタートだ。
そうは言っても、本当は細かいやるべき事はまだまだ盛り沢山。開店してもすぐにお客さんが入って来ることは少ないので、その間にその他の細かいことを片付けていくのがいつもの流れだ。
だけどたまに開店とほぼ同時にお客さんが来ることがある。有難い反面内心とても慌ててしまう。まだ片付けが残っているのに〜。
表面上は慌てた様子など見せずに「いらっしゃいませ♪」とお客さんをお迎えして、お酒を作ったり一緒にカラオケを歌ったりするけど、実はお通しやビールを取りにキッチンを行く度に、前日に使って干していたランチョンマットやコースターを1つ、また1つと片付けていく。カウンターに戻るとまた何事もなかったようにお客さんとおしゃべりして、キッチンに行くと怒涛の如く片付けをしていく。
お客さんを待たせるわけにはいかないので、毎回5秒くらいの短い時間テキパキ片付けるだけだけど、カウンターとキッチンを仕切っているカーテンの向こう側とこちら側での自分の動きの違いが、我ながら可笑しい。
接客業は好きだし楽しく仕事をしているけど、なんだかんだで本当は、開店の準備をしている時間が1番好き。黙々と1人で作業なり何なりしているのが好きだと思う。でも閉店後の片付けはそう好きでもないのが不思議なんだけど。