ある日の午後、「今、ミヤさんのお店の前に警察の人が来てて……」と、お隣の居酒屋のKちゃんから電話が掛かってきた(ミヤさんとはもちろん私のことだ)。
え? 警察?
身に覚えがなくても、パトカーや警察官を見かけるとちょっとキリッと身を正すような緊張があるのに、私のお店に警察の人が来ている? 何事だ?
「……それで、話があるそうなので電話代わりますね」とKちゃん。
警察が私に話とは?
「もしもし、那覇署の刑事課の◯◯です。お忙しい中すみません。おもてのカメラの件でお伺いしたいのですが、そちらの管理でしょうか?」
なーんだ、カメラのことね。実は数ヶ月前に、お店の入り口の左右に防犯カメラを取り付けたのだ。電話の理由が分かりホッとしたと同時に、今度は興味が湧いてきた。もしかして、何かの捜査協力ってことかしら?
「はい、カメラはうちのです」
その後ちょとしたやり取りがあり、◯日の深夜◯時から◯時までの防犯カメラの映像がほしいとのことで、その後警察の人と会い、その日時のデータを提供した。
その日時に何があったのか、事件なのか事故なのか、そして私の提供したデータにお望みの物や人が映っていたのかも分からないけど、この協力は私にとってはなかなか興奮する出来事だった。大袈裟に言えば、テレビで観る『警察24時』の出演者の1人になった気分だった。テレビには映らない影の出演者だ。
防犯カメラを取り付けた時、夫と2人で「いつか警察から「映像を見せてください」って言われることがあるかもね〜」なんて話していたけど、本当にそんな日が来るなんて。しかも取り付けてたった数ヶ月後に。
今後「警察24時」を観る時は、出演者側の気持ちで観ちゃうかもな〜。