BARで牛乳

 小さな私のお店の、その半分の面積をセルフバーにして安くお酒を提供している。安さが売りなので高いお酒は置けないが、そのぶん種類の豊富さでお客さんに喜んでもらえるように日々あれこれ試行錯誤している。その結果、飲み放題のドリンクの種類は40を超えた。

 40数種類の中のには、サワーやカクテルもある。最近は炭酸水で割るだけで簡単に作れるコンクもたくさんあるのだ。色とりどりのコンクがズラリと並んだ迫力にお客さんの反応も良く、「楽しい〜!」と喜んでくれるのでますます種類を増やせないかと考える。

 飲み放題なので、提供できるお酒には金額的な制限があるし、それらを並べて置くスペースにも限界があるしで思いついたのが「◯◯キャンペーン」。常に飲み放題で提供するにはちょっと高いけど、不定期で数量限定でなら出せるんじゃないか? と考えたのだ。その第一弾が、カルーアミルク。

 本当は「牛乳キャンペーン」と謳いたかったけど、BARで牛乳を推すのも妙な気がしたので、とりあえずはカルーアミルクとして推してみた。セルフバーなので、お客さん自身がカルーアを牛乳で割って作る。割る比率はカルーアのボトルに分かりやすいように明記した。

 ◯◯キャンペーンの良いところは、SNSにアップするネタになるということ。「カルーア以外にも、梅酒の牛乳割りも美味しいよ」と、お店のインスタで紹介した。梅酒ももちろん飲み放題に入っている。
 

 牛乳は背中にストローが付属している四角い200mlパック。通常の牛乳パックよりちょっと高いけど、賞味期限が2ヵ月くらいあるので、はたしてどれくらいお客さんからの需要があるのか分からない牛乳でも、賞味期限切れにはならないだろう。

 せっかくのキャンペーンが不発だったらどうしよう、というのは杞憂だった。カルーアミルクや梅酒の牛乳割りを作って飲むお客さんだけじゃなく、牛乳を単体で飲むお客さんも時折いて驚いた。朝の食卓でならごく普通のことなのだが、夜のBARでなのだ。

 とあるカップルは、男性が発泡酒、女性は黒糖焼酎を飲んでいて、その合間合間にストローをさした牛乳を飲んでいた。チェイサー的な意味なのか? それとも胃に膜を張って保護を目的としているのか? いやいやそうじゃなくて単純に牛乳が好きだということなのかもしれない。

 何はともあれ、キャンペーンの第一弾はまずまずの滑り出しで、続く第二、第三の準備も着々と進んでいる。乞う、ご期待。

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