トイレの悩み

 私のスマホではなく、お店の固定電話が鳴ると期待が高まる。それは団体さんの可能性が高いからだ。それも新規の団体さん。たぶんGoogleMAPの検索で見つけてくれたのだろうと思う。

 GoogleMAPにも料金システムは載せてあるけど、新規のお客さんの電話ではだいたい、料金のこと、飲み放題であること、カラオケがあることを確認される。まぁ、それ以上は聞くようなことは当店にはないのだけれど。

 団体さんだと、電話を掛けてきた人の一存では決定出来ないこともあるようで、「検討して、また電話します」と言われることもある。私は祈りながら連絡を待つ。「どうか、来店する旨の電話がありますように……」

 1度も行ったことのないBARに行くのは、ちょっとした勇気というか、思い切りが必要だと思う。だから、その不安を取り除くように日々試行錯誤している。入り口の案内板、のぼり、GoogleMAPの情報の更新などなど。でも、それらを見ても不安だから電話で今一度確認するのだろう。

 しかし、お店の電話にナンバーディスプレイの契約をしていないので、出られなかった場合に折り返すことができない。何故か私がトイレに行っているタイミングで電話がかかってくる確率が高いような気がする。電話に出なかったからといって1度で諦めずにまた電話をかけてきてほしい。

 トイレに入っているタイミングでかかってくる電話の話を夫にすると、「子機をトイレに持っていったらいいじゃないか」と言われた。でもどうだろう。子機を持ってトイレに行く私の姿をお客さんが見たら、あんまり気持ちの良いものじゃないような気がする。ましてやトイレで電話に出るなんて。

 私がトイレに入っている時に限って電話が鳴るのも困るが、トイレのタイミングでのお客さんの来店も焦る。トイレから出たら、お客さんがどこに座っていいのか分からずに所在無げに佇んでいるのだ。

「いらっしゃいませ」と、出できたトイレのドアの前からお客さんに声をかける私も滑稽というか間抜けというか、格好がつかない。

 前述の、「検討して、また電話します」の電話を待っている時も、トイレに行きたいのに、またかかってくることを期待して行けなくて困る。トイレの悩みは尽きないのである。

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