Ｋさんとは、私が自分のお店を持つ前からの知り合いだ。出会ってから早14・5年。Ｋさんはいつも仕事の仲間と飲みに来てくれる。沖縄県内の遠方への転勤で、途中で疎遠になってしまった時期もあったけど、那覇やその近辺の職場に戻って来てからは、また月に１度ほどのペースで、細く長い付き合いが続いている。
Ｋさん達は、だいたい月の後半の週末に来てくれることが多い。その日もいつものように月末の金曜日にＫさん御一行が来店した。団体さんの場合は、もちろんカウンター席ではなく奥のボックス席に案内する。私の定位置はカウンターの中なので、そこからみんなの漏れ聞こえてくる会話を総合すると、「Ｋさんは来週から石垣島に２ヵ月程の長期出張に行く」ようである。そんな〜。
団体さんはとても有難い反面、いつも引き連れてくれている人（たいてい年長者）がいなくなると、誰も来なくなってしまうということが多い。今までも、何度もそういうことがあった。だから、Ｋさんが長期出張に行っている間は、その仲間達も来てはくれないだろうと、仕方のないことだと、私は自然とそれを受け入れていた。
ところがところが翌月の最終金曜日、Ｋさん不在なのに、Ｋさんの仕事の仲間がいつものように団体さんで来てくれた。
「ママの電話番号はＫさんしか知らないから、連絡しないで来ちゃいましたよ〜」だなんで、本当に有難いです。
いつも楽しそうに飲んで歌っているけど、Ｋさんが行くって言うから仕方なく来てるんだろうなと、いつの間にか私はそんな拗ねた考え方を身に付けてしまっていたのだろう。
そう言えば、Ｋさん以外のお仲間に名刺を渡したこともなかったやと、お会計のタイミングで「電話番号もありますので、よろしくお願いします」とお渡しした。
よろしくお願いします。
