口説き文句

月に1回くらいの頻度で飲みに来てくれるM氏はなかなかお堅いお仕事をしているようだけど、口を開くとちょっと品がない。黙っていれば上品な感じなので、「せっかくの紳士が台無しですよ」と今までも何度となく注意してきたつもりだったのに、全く効き目はなかったことが先日判明した。1人で来店していた女性客を下品な下ネタで口説き始めたのだ。
M氏が度を超える下ネタを連発するのは、私が飲み屋の人間だから軽く考えているのかと思いきや、そうではなかったようだ。カウンターで横に座っただけの一般の女性にも同じ下品な言葉でデート(?)に誘うなんて、そんなのに応じる女性がいると本気で思っているのだろうか。
M氏の下品な口説き文句を、愛想笑いでどうにか乗り切る女性を救い出し、お見送りをした後にM氏に改めて聞いてみた。
「さっきの女性を本気で口説いていたんですか?」
なんと、答えは「イエス」。軽い下ネタで誘ってみたら乗り気じゃなさそうだったから、もっと過激な下ネタにしたけどダメだったと。そりゃそうだ。下ネタの過激さを増すなんて、正気の沙汰とは思えない。
それとは全く逆の口説き方を、ラウンジで働くRちゃんから聞いた。相手は歳上の税理士さんで、真剣な顔で「君と一緒になったら、配偶者控除がどうのこうの〜」と言われて、反応に困ったと言っていた。真剣にそんなこと言われたら、確かに反応に困る。
すごく厄介なのが、正論ぶったお誘いだ。「人生1度きりなんだから楽しまないといけないよ。だから一緒に飲みに行こうよ」とか、「たまにはデートしなきゃ、女が枯れるよ。今夜どう?」なんて言われて、心が惹かれるはずがない。
口説き文句のNGはいっぱい見てきたけど、だからといって最高の口説き文句とは? それは私にも分からない。

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