Ｓ氏は、いわゆる転勤族だ。約２年前に５年間滞在した沖縄を去り、現在は大阪勤務。今回来沖したのは完全なプライベート旅行で、私のお店にも顔を出してくれた。
８時にオープンして、１番最初のお客さんがＳ氏だった。私のお店は、入り口のドアが、カウンターにいる私からは見えない。チリンチリンとドアが開く音が鳴り、お客さんの姿が見えるまでに一瞬間がある。「いらっしゃいませ〜」と言いながら待つと、Ｓ氏の姿が現れた。
全く予告もなく、２年ぶりの突然の来店だったので、あまりに驚いて「あ、あ、Ｓさんだ！」と、ちょっと変な反応をしてしまった。連休を利用しての沖縄旅行。かつて仕事で５年も過ごした沖縄を、今度はぶらりと１人旅。いいね〜！
Ｓ氏と、この２年の間の沖縄の変化について話す。モノレールの駅が増えたこと。大型ショッピングセンターが増えたこと。新しいコンビニが進出したこと。そして、首里城が燃えてしまったこと。
この沖縄旅行で、２泊したＳ氏はその２日間とも私のお店に飲みに来てくれた。内地の人らしくたくさん歩くようで、スマホの万歩計で２日間とも２万歩近く歩いたそうだ。奥さんへのプレゼントを買いにDFSへ行き、かつて住んでいた国際通り辺りを散策し、波上宮へ お詣りと、モノレールと徒歩で充実した沖縄の時間を過ごしたそうだ。そして、そこでの出来事を私に話してくれる。目当てのネックレスがなくて別のを買ったこと。400gのステーキを完食したこと。海の近くは少し肌寒かったこと。
２年ぶりの来沖のコースの中に、私のお店に飲みに行くことも予定に入れてくれているなんて、本当に心から有難い。旅行のたびに、出張のたびに来てくれるお客さんを、私は待っていることしか出来ないけど、これからも頑張ろうっと。
