告白の効果

 私は現在、ガンの治療中だ。去年の夏に貧血でお店で倒れ、その後の検査でガンが発覚した。しばらくは完全に仕事を休み、代わりに夫がお店を開けてくれた。

 数ヶ月後、体調と相談しながら私は仕事に復帰した。開店から3時間だけお店に立ち、夫とバトンタッチするという感じでゆるーく仕事の再開。

 私が休んでいる間や早上がりして帰った後に来たお客さんに、「どうしてママはいないのか」と聞かれたら、ガンのことは言わずに「ちょっと体調不良で」とだけ答えておいてと夫には言っていた。

 楽しくお酒を飲みに来ているのに、私の病気の話はしなくてもいいだろう、と思い口止めをしていたけど、休んだり早上がりしたりを1年も続けていたら、さすがにお客さんに不審がられる気がして病気を告白することにした。

「体調悪くしてたらしいけど、もう大丈夫なの?」てな感じでお客さんに聞かれた流れで、「実はガンになっちゃって、今抗がん剤の影響で髪もないんですよ〜」と、ウィッグをちょっと浮かせてこめかみの辺りを見せると、大抵みんなびっくりする。そして、「そういうことなら休み休み仕事をするのも仕方ないね。お大事にね」という感じになる。

 それからは、俺の母もガンだったとか、奥さんが白血病で闘病中とか、俺は数年前に舌ガンの手術をしたとか、お客さんからガンの話をいっぱい聞く。さすがは2人に1人はガンになる時代だ。

 抗がん剤の副作用は個人差が大きいようで、私の場合は髪は抜けたが、それ以外の吐き気やダルさなどはない。毎日ちゃんとフル出勤しようと思えば、実は出来る。でも時短勤務に慣れてしまったし、元気でも一応ガンだし、ここは夫に甘えちゃってもいいよね〜と思って、毎日3時間だけ働いている。

 ガンを聞きつけて友達が集まってくれたり、お客さんが妙に優しくなったり来店頻度が上がったりで、ガンを告白してなんだか良い効果。

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