確か７月の29日か30日だったと思う、お店に出勤すると、封筒が届いていた。８月１日・２日に、松山で働く人を対象にしたPCR検査を無料で行うというお知らせだ。
松山の飲食店で、コロナ感染者が急激に増えたというニュースを見ていたので、「とうとう大規模検査をしなきゃいけない事態にまでなってしまったんだ」という思いと、「検査で陰性だとはっきりしたら一先ず安心だ」という思いの後に、「もし陽性だったら、私のお店の今後はどうなってしまうのだろう」という不安が襲ってきた。PCR検査にビビるなんて予想外の自分の心の動きに、自分自身でちょっと驚いた。
私は怒りや不安から立ち直るのに30分くらいなので、PCR検査はもちろんちゃんと受けてきた。松山で働く人たちはほとんど夜型の生活だから、午前中は空いているだろうと読んで昼前に行ったら、びっくりするくらい並んでいた。みんな案外早起きだ。
徒歩で来た人の列と、車でそのまま並べる列があり、県か市の職員だろうか、炎天下の中を誘導してくれていた。検査員が、番号札や身分証に触れない仕組みで受け付け、検査できるように工夫されていた。
こんな大規模で、しかも屋外で、感染に気を付けながらなんて、受ける側にとっても実施する側にとっても、きっと誰にとっても初めての検査だ。こんなこと言うと不謹慎かもしれないけど、なんだか歴史の１ページか映画のワンシーンに参加している気持ちになった。
第１波の時の営業自粛要請で、私のお店は13連休し、そして今回の要請では20連休することにした。自粛要請に応じず営業を続けたところで、今の状況でお客さんが来るとは思えないし、自粛に応じれば収入の可能性すらゼロだし、自粛期間が終わって営業再開しても果たしてお客さんは来てくれるのだろうかの不安もあるし、とにかく今はなす術なく時が過ぎるのを待つだけだな。だから、大規模PCR検査の現場の様子に、ちょっとワクワクするくらいは許して〜
