先日来店した男女４対４の団体さんは、30代後半から50代前半の年齢層で、その内男性２人Ａ氏とＢ氏は当店の常連さんである。Ａ氏はとある施設の事務長で、Ｂ氏がその部下という関係だ。いつもはその２人だけで来店するが、その日は珍しく８人でやって来た。仕事関係の集まりなのかな？
Ａ氏とＢ氏以外の残りの男性２人は、みんなから「先生」と呼ばれている。30代後半から50代前半の年齢層といっても、女性のほうが若干若い。８人全員、一緒に働く仲間のようだ。ふむふむ。カウンター探偵の観察は続く。
団体さんの場合、隣同士の数人での会話グループがいくつか出来るのはよくあること。友達同士での飲み会ならいざ知らず、職場メンバーなら、序列やら人間関係やら男女やらが関わってくるので、席が決まっているようないないような曖昧なソファ席の場合、トイレ離席から帰って来た時に、どこに座るかで、その人の気持ちが見え隠れして面白い。
今回の８人さんの場合も、最初は１番歳上の先生を上座の奥の席に、そして事務長のＡ氏、若い先生、女性スタッフの順に両サイドに散り、幹事役のＢ氏が端のほうに座るという序列を感じる並びであった。それが時間と共に、酔いと共に、トイレ離席のたびに変わっていった。
歳上の先生と１人の女性スタッフが奥の席で楽しそうにずっと話しをしている。いつの間にか端のほうに移動した事務長が別の女性スタッフとカラオケを歌っている。若い先生は２人の女性に挟まれるように、ずいぶんくっ付いて話をしている。幹事役のＢ氏は、真ん中辺りで取り残されたようにお酒を飲んでいた。
私は、カウンターから見えるＢ氏の背中に、幹事さんの悲哀を見た。
