私のお店のおつまみは、わずか10種類しかない。ナッツ類やチョコレート、チーズ、スナック菓子くらいなものだ。
その10種類の中でも、人気の差や賞味期限の問題で、これまでに何度も入れ替えがあった。そして今、悩んでいるのがピスタチオの進退である。
ナッツ類は、ピスタチオ、ミックスナッツ、マカダミアナッツの3種類。10種類しかないおつまみのうち、3つがナッツというのは多すぎる気がする。しかもピスタチオは、思っていたほど注文が入らない。
「今の在庫がなくなったら、もうやめようか」
夫と、そんな話をしていた。
マカダミアナッツは「セルフ・マカダミアナッツ」と名付け、殻付きのまま出している。
お客さん自身に万力で割ってもらう、少し変わったスタイルだ。これは残したい。
ナッツ類の中で、圧倒的に人気があるのはミックスナッツ。だから、消えるのはピスタチオ。そのはずだった。
ところが、もうやめると決めた途端、3日連続で複数のピスタチオの注文が入った。あっという間に売り切れ、3日目には「すみません、さっきで売り切れてしまって」と謝ることになった。
実はこれ、初めてではない。以前にもピスタチオ廃止の話が出たとき、在庫がなくなる寸前で立て続けに売れ、結局また仕入れたことがある。
在庫がたっぷりあるときには、なかなか注文が入らないのに、残りが少しになると、なぜか選ばれる。ピスタチオは、いつもそうだ。
そういえば、昔はおつまみが5種類しかなかった。その頃は、「上から下まで全部ひとつずつちょうだい」という注文を、時々もらった。
メニューを増やしたら、そんな嬉しい注文はなくなった。選べるものが増えたせいか、選ばれなくなったのだ。
やはりピスタチオはやめにして、メニューも少し少ないくらいが、ちょうどいいのかもしれない。



